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日本一古い水族館で寿司ネタをながめる午後【富山・魚津】

熱風が顔にまとわりつくような猛暑の日、ふらふらと避難するようにたどり着いたのが「日本一古い水族館」だ。

110年の歴史を誇る──と聞けばありがたみが増すが、入口に描かれたイカのイラストはやけにのんびりしている。

目次

寿司ネタ?魚津水族館

中へ入ると涼しい。水槽の前に立つと、カンパチやらブリやらが、つるりとした背中をこちらに向けて通り過ぎていく。

その下に添えられた説明がまた面白い。「寿司ネタ:ブリは冬が旬。照り焼きにしても美味」。水族館なのに、居酒屋のメニューを眺めているような気分になる。

さらに奥へ進むと、頭上を魚が泳ぐトンネル通路が現れる。

これがなかなか圧巻で、ぼんやり立っていると自分が水槽に入れられた見世物になったような錯覚を覚える。

横を通り過ぎるカップルが、妙に羨ましい。

水族館のまわりの町の知恵

「家族連ればかりか」と思いきや、意外に若い女の子グループも多い。インスタ映えでも狙っているのかもしれない。

となりのお土産屋には、子どもを遊ばせながら大人はリモートワークできるスペースまである。Wi-Fiも電源も無料。

つまり「子育てコワーキングスペース」である。魚津おそるべし。

少し腰を下ろしてノマド気分を味わってみる。隣で子どもがキャッキャと遊んでいる声を聞きながらキーボードを叩くと、不思議に効率が上がる。

レジでの会話

その日の午後二時、近くのバローに買い物へ行った。レジのバイトらしき女子高生に、なんとなく話しかけてみた。

「魚津水族館って、日本で一番古いんだよね」

すると彼女、ぽかんとした顔で「えー、ただ単に古いだけの水族館かと思ってました」と返してきた。

なるほど、若者には“古い”と“歴史ある”の間に溝があるらしい。けれど、寿司ネタの薀蓄を垂れながら魚が泳ぐこの水族館には、確かに“味”があるのだ。

帰りの車の中で、あの女子高生が次に誰かに「魚津水族館って一番古いんだよ」と話すとき、少しだけ誇らしげな顔をしていることを願った。

なりさん

群れブリや
寿司ネタ眺め 夏の午後

基本情報

水族館の透明なトンネル水槽を通り抜ける通路。頭上には大きな魚が泳いでいる。
項目詳細
正式名称魚津水族館
住所〒937-0857 富山県魚津市三ケ1390
電話番号0765-24-4100
営業時間9:00~17:00(入館は16:30まで)
休館日12月1日~3月15日の月曜日(祝日の場合は翌平日)
年末年始(12月29日~1月1日)
入館料金一般(高校生以上):1,000円
小・中学生:500円
幼児(3歳以上):200円
年間パスポート一般:2,500円
小・中学生:1,200円
幼児:500円
駐車場1,000台(大型バス30台)・無料
アクセス・富山地方鉄道「西魚津駅」徒歩約15分
・あいの風とやま鉄道「魚津駅」タクシー約10分
・北陸自動車道「魚津IC」「滑川IC」車約15分
展示テーマ「北アルプスの渓流から日本海の深海まで」
展示生物数約330種類・10,000点以上
歴史1913年開館・日本最古の水族館
特徴施設富山湾大水槽(240トン・日本初アクリル製トンネル)
リュウグウノツカイ標本展示
バリアフリー車椅子対応・貸出・盲導犬受入・ベビーカー貸出
公式サイトhttps://www.uozu-aquarium.jp

魚津水族館の写真がこちら▼

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