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ふれあいサテライトみついしで出会った一枚のカレンダー
かつて日高本線が走っていた三石の海沿い。朝の道を走っていると、潮の香りとともに現れるのが、旧・三石駅跡に建つ「ふれあいサテライトみついし」である。
木造の小さな建物は、今も旅人を迎える静かな休憩所になっている。
小さな駅舎に、記憶が息づいていた
入り口には、かつての駅名が残る看板が立っている
扉を開けると、ひっそりとした待合室に丸いベンチがぽつんと置かれていた。
壁には地元の掲示物が並び、時間がゆっくりと流れている。
その壁の一角に、ふと目を引く一枚のカレンダーが貼られていた。
タイトルは「思い出の日高本線(鵡川〜様似間 廃線)」。
よく見ると、制作したのは北海道浦河高校の写真部である。
廃線となった駅舎やホームを一つひとつ巡り、シャッターを切って作り上げた記録だ。
駅名標が並ぶ写真には、列車が通っていた頃の空気が宿っており、高校生たちのまなざしがまっすぐに伝わってくる。
線路はなくても、記憶は残る
誰もいない待合室で出会った、高校生たちの「記憶の地図」。
旅人として訪れた自分よりもずっと、この場所に寄り添ってきた人たちの手仕事が、そこにあった。
線路は草むらに埋もれ、駅も静かに時を止めている。
しかし、こうして誰かの思いとともに貼られた一枚のカレンダーがある限り、この鉄路の記憶は、きっと消えないのだろう。
あの日、このカレンダーに出会えたことも、自分の旅の記憶のひとつになった。

剥がれずに
時を貼りつく 夏の駅
WILD GEESE




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基本情報
項目 | 詳細 |
---|---|
正式名称 | ふれあいサテライトみついし |
旧駅名 | 日高三石駅(ひだかみついしえき) |
所在地 | 北海道日高郡新ひだか町三石旭町26-4 |
電報略号 | ヒツ(旧駅時代) |
事務管理コード | ▲132218(旧駅時代) |
開業年 | 1933年(昭和8年)静内駅から延伸し終着駅として開業 |
廃駅年 | 2021年4月1日(日高本線鵡川~様似間廃止) |
駅舎改築 | 1993年(平成5年)貨車駅舎から現在の建物に改築 |
路線 | 日高本線(廃線) |
ホーム構造 | 1面1線の棒線駅(廃線時) かつては相対式ホーム2面2線の交換駅 |
交換設備廃止 | 1977年頃 |
施設 | トイレ、駐車場、休憩スペース |
周辺施設 | セイコーマート(国道反対側) |
アクセス | 国道235号沿い、道南バス「日高三石」停留所徒歩約0分 |
現在の用途 | 地域住民・観光客向け休憩施設、旅人の休憩所 |
特徴 | 旧ホーム・線路跡が南側から見える 日高本線の記憶を伝える展示 |
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