北海道・麓郷で、時間の積み方に出会う
北海道・麓郷へ
2024年4月21日(日)。
昼前に麓郷に入り、いよいよ「北の国から」のロケ地巡りが始まった。
「拾ってきた家」「丸太の家」。
名前を口にするだけで、もう物語の中に引き戻されるような場所が、点々と現実の風景の中に残っている。観光地というより、「そこにあった暮らしの跡」をたどっていく感覚に近い。
そして、「五郎さんの石の家」に着いた。
ドラマの中で、五郎さんが一つ一つ石を積み上げて作った家。
画面越しに見ていたときは、正直「すごいなあ」くらいの感想だった。でも、実際にその前に立つと、想像していたよりずっと重たい存在感があった。
石は、派手じゃない。
持ち上げても、積んでも、すぐに何かが劇的に変わるわけでもない。ただ、ひたすら同じことを繰り返すだけの素材だ。
でも、その石が積み重なった結果として、ちゃんと「家」になって、今もここに立っている。
それを目の前で見ると、時間そのものが形になっているように感じた。
ドラマを見ていた頃には、たぶん気づいていなかった重さ。
今の自分だから、少しだけ分かる気がした。
何かを作るというより、「積み続けた結果、そこに在る」という感じに近いのかもしれない。
幾寅駅と、旅の続き
南ふらのの幾寅駅。ドラマでは幌舞駅として登場した場所で、映画「ぽっぽや」のロケ地でもある。
ホームに立つと、あの映画の静かなシーンが、勝手に頭の中で再生される。風景には、そういう記憶を呼び戻す力がある。
新得を経由して、15時5分に協働学舎へ。
お試しチーズを少し買う。こういう寄り道があると、旅は急に「生活」に近づく。
セリアに寄ってから、中山商店へ。二郎系ラーメンを食べる。
濃厚なスープと極太麺。朝から動き続けた一日の終わりには、ちょうどいい重さの一杯だった。
ダイイチで、米と食料品、ビールと焼き鳥を買う。
明日の帰路に備えるための、ただの買い出し。でも、こういう時間があると、旅はちゃんと地面に足がつく。
ドラマと現実が重なるとき
五郎さんの石の家を訪ねた日。
ドラマの中の物語が、現実の風景と、ゆっくり重なっていった。
あの家は、特別な才能で一気に作られたものじゃない。
たぶん、今日一日では何も変わらない作業を、ずっと続けた結果、そこに立っている。
旅をしていると、ときどき「時間の使い方」そのものを見せられる瞬間がある。
麓郷で見た石の家は、そんな場所のひとつだった気がする。
知らんけど。
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