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帯広で「57万円のハイゼットカーゴが相棒になった日」

2024年4月19日(金)。帯広。
朝5時、帯広の拠点で目が覚める。窓の外は小雨で、街はまだ薄いグレーのまま静かに息をしている。

湯気の立つコーヒーを飲みながら、今日はやることが多いなと思う。

中古車、リサイクルセンター、自転車屋。地図アプリと検索履歴を行ったり来たりさせているうちに、旅というより「生活の準備」の一日になる気配が濃くなってきた。

ローソンで賃貸契約書をコピーして、ダイイチの中のワッツで細々したものを揃える。どれも小さな買い物なのに、ひとつひとつが「ここで暮らす」に繋がっていく。帯広に来たら、やっぱり最初はこれやろ、ということで白樺ジンギスカンへ。

扉を開けた瞬間、羊の香ばしい匂いがふっと鼻をつく。鍋の上で肉が焼ける音を聞いていると、移動の疲れがゆっくりほどけていく。北海道に来た、という実感は、だいたいこういう匂いと音でやって来る。

食後、少し間をおいて中古車屋さんに到着。
実は今日の本命は、ここだった。
対応してくれたのは、札幌から転勤してきたというIさん。案内されたのは、ハイゼットカーゴの4WD。値札は57万円。

「これ、荷台で寝れるタイプやな」

口から出たその一言で、ほぼ決まっていた。

毎月、帯広と関西を往復することになるなら、レンタカーより自分の車のほうがいい。頭の中でずっと回していた計算が、この瞬間に現実の形を持った。相棒、という言葉が一番しっくりくる。

北海道を走るため。泊まるため。仕事をするための、ちょうどいいサイズの相棒。

拠点に戻って、生乾きのバスタオルをベランダに干して、洗濯機を回す。旅の一日なのに、やっていることは完全に生活者のそれで、でも不思議と嫌じゃない

こういう作業の積み重ねが、土地との距離を少しずつ縮めていくんやと思う。

夕食はミスジステーキとハンバーグ。鉄板の音を聞きながら、今日一日を静かに反芻する。

買い物と手続きと、そして57万円の決断。納車は3週間後。

派手な観光は何もしていないけれど、確実に一歩、北海道での時間が「自分のもの」になった日だった。

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